ランドナー

日本で、ランドナーと言えば、日帰りから、ちょっとした泊りがけのツーリングに使う目的で作られた自転車を言います。
最近は、ちょっとマイナーなんですが、今でも、大手では、丸石自転車が作っています。また、パナソニックでも700Cのランドナーを、作ってますが、こちらは、ランドナーとは言わない、という意見もあるかも。

一般的なランドナーの、最大公約数的な仕様は、こんなもんでしょうか。

泥除けがついてる ツーリングには、泥除けがあったほうがいいです。輪行もするので、分断式になっていることが多いです。
荷物がつめる ある程度長い距離を走るツーリングでは、自転車に荷物を積むのが楽です。
ハンドルはドロップハンドル 乗車姿勢を変えて、長時間走るために、ドロップハンドルが普通です。
ドロップハンドルの中でも、ロードレーサーについてるようなのではなく、ランドナーバーというのをつけることが多いんですが、、、
タイヤ タイヤは、考え方にもよりますが、ロードレーサーのようなあまりに細いものは、使いませんし、マウンテンバイクのようなあまり太いのもつけません。
ランドナーで一番多いタイヤは、26×1:3/8という、ママチャリと同じ太さのものです。
ギア比 舗装路の峠なら、なんとか登れてしまうようなギア比がついていることが多いですが、その人の体力とか、回す速さにもよりますし、その人の走行スタイルにもよります。
フレームの素材 やはり圧倒的に、鉄です。鉄のほうが、振動を吸収できて、長距離、長時間走行に向いています。第一に、鉄のほうが、丈夫で長持ちです。
フレームの設計 ゆっくり走っても安定するように設計されています。もちろん、ある程度の高速走行でも十分対応できるようにはなっています。(例えばフロントフォークのオフセットは、ロードレーサーより大きめです。)

さて、左の写真が私の700Cのランドナーです。
仕様はこちら(本題からははずれるので、HTMLを分けてみました。)

泥除けが分断式になってます。あと、カンチブレーキです。

さて、これからが、本題です。

1.「ランドナーなんて時代遅れだよ」への反論
  最近の風潮への反論というか愚痴、、、
2.「お前の自転車は、ランドナーじゃないんじゃ?」への反論
  濃〜い、日本的正当派ランドナーファンへの反論
3.田中的ランドナー定義と、ランドナーの未来
  定義というか、今後のランドナーの発展も願いつつ、、、
4.ランドナーの未来は、むしろ環境問題が問題
  ちょっと、理屈入ります


1.「ランドナーなんて時代遅れだよ」への反論

(1)ロードレーサー、MTBへの反論
ロードレーサーも、MTBも、本来レースで使うものなので、そのままでツーリングに使うには、ちょっと合わないと思います。例えば、ロードレーサーは、舗装路しか走れないので、ちょっとぶらりと、山に入るのには不向きですし、普通の人の体力で、長時間走るような乗車姿勢じゃないですよね。MTBは、山道を走る分にはいいのでしょうが、山道を担ぐと重たいと思います。舗装路で長い距離を走るのにも、ちょっとしんどいと思います。
どちらも、そもそも設計された目的が、「旅の足」というより、「スポーツのための道具」という位置付けですから、これは仕方ないことなのでしょう。「スポーツのための道具」だから、そのスポーツに特化された方向に進化してゆき、ますます「旅の足」という目的からは遠くなっていきます。
「自転車でスポーツ」ということ自体を否定するものではありませんが、「自転車で旅」ということを、多くの人に、もう少し考えて欲しいなあと思います。そうすればもうちょっとはランドナーが、浮かばれると思うのですが。
(2)クロスバイクへの反論
んんん、こちらは強敵ですね。
一応、反論を羅列。
やっぱり、ドロップハンドルのほうが、持ち替えできて乗車姿勢を換えれるので、疲れなくていい。
クロスバイクで、山道を担いでる姿は、似合わない。
クロスバイクに、着たきり雀の汚い格好して、乗ってるのは似合わない。(自滅か、、、)
結局、クロスバイクって、おしゃれに乗らないといけないような気がするんで、気後れする。(これも自滅か、、、)
以上書きましたが、あまり迫力ないですね。というか反論が、自滅してますね。

2.お前の自転車は、ランドナーじゃないんじゃへの反論

私のランドナーは、ランドナーではなく、スポルティーフじゃないか、とか、700Cツーリング車じゃないか、という意見があると思います。以下、異論反論オブジェクションマスターベーション(失礼)です。

反対意見 私の反論
26インチのほうが、峠等で安定するので、ランドナー的走りで700Cは違うと思う。 身長の低い人が、26インチ乗るなら、高い人が700C乗るのは、いいんじゃないの。
タイヤ、が700×32Cというのは、スポルティーフだ。 パセラはそうかなあ、、、でもクロカン用のタイヤに換えようと思ってます。タイヤを交換して、1台で2粒美味しい使い方ができるほうがいいと思うんだけどなあ、、、
フロント52×42×30、リア13〜26って、、、、52で13なんて高いギヤ比は、ツーリングじゃ使わないんじゃないの。 確かに、滅多に使いませんが、直線の下り等で使うときはあります。また、後ろの使うギアが真中に集まって、長持ちします。(48×14だったら、トップ使うことが多くなってトップだけ減る。)
TAを使うのが自由な端数構成ができると思う。 TAは使ったことないけど、精度面と、コストとの兼ね合いで、やはりシマノに軍配があがると思います。(高くて買えないので、負け惜しみか、、、)
フロント、リアともにロード用を使って、峠とか登れるの? 舗装路なら、気合をいれれば登れます。また、フロント30、リア26でも、十分過ぎると思う。(実際には、フロント30、リア26でも、押したほうがトータルで速いぐらい。)

以上、だれも、そんな文句はつけてないのに、私が勝手に被害妄想的に反論してみました。
でも、ホントにお金かけれるんだったら、クラシック部品をつけたような自転車を、観賞用に所有したいんですけどね、、、、(でも、もったいなくて乗れないと思う。)
まあ、そこまでいかなくても、MTBのタイヤとか履いて、MTBのコンポで組んだ、ランドナー(キャンピングか?)も欲しいのは、事実なんですが、、、結局は、たくさん自転車を買う余裕がなくって、指をくわえてる、というのが正直なところで、ちょっと強がってみました、ということで、お許しください。

3.田中的ランドナーの定義と、ランドナーの未来

一言で言ってしまえば、「旅」のための、「旅」に最適化された自転車、というのが私のランドナーの定義です。
そのための条件といえば、

条件 説明
長時間走っても疲れない。局所的な疲れが少ない。 やはり、持つところを換えることのできるような、ドロップハンドルがいいと思います。なお、ロードレーサーのような極端な前傾姿勢は、一般人の体力では長時間走るのはつらいです。
フレームの材質も、今のところは、鉄が理想かなあ。
その人の体力と相談して、タイヤの空気圧、太さを決める。 細くて、高圧のタイヤは、快速に走れていいのですが、長時間走るためには、ある程度、クッションがあったほうがいいと思う。今の私は、32Cで、7気圧ぐらい入れて、一週間ぐらいは平気なので、、、。年齢とともに、適切なランドナーは変わっていくんだと思う。
荷物は自転車に積めること。 荷物は、自転車に積むのとつまないのでは、疲れが全く違います。やはり、キャリアは必須。
泥除けは? 泥除けは、私個人的には、必要だとは思うが、必須ではないと思う。泥除けをつける分、荷物に着替えを多く積めば、同じことですから。
ギヤ比 峠を乗ったまま超える、、、というこだわりがある人は、前30、後ろ25ぐらいの低いギア比のものが必要ですけど、そのこだわりがなければ、別にロード用のギア比(極端な話、前39で後ろ23)でもぜんぜん大丈夫だと思います。なんで、別に、重要な用件じゃない。
(そもそも、現在のロード用の部品でも、前30、後ろ27が可能。)
そこそこ、枯れた技術の部品を使う。 旅先で、部品が壊れたときなど、調達できることが必要です。そういう意味でも、あまり最新の部品をつけたり、逆に、あまりクラシックな部品をつけるのは、よくないと思う。
タイヤについては、現時点では、26×1:3/8のほうが、今ではママチャリと共通なので、むしろ、アリ、だと思う。
でも、1週間ぐらいのツーリングなら、普段ちゃんと整備して、しかも普通に走ってれば、なんの問題もないんですけどね。

で、いろいろ書きましたが、ランドナーは、これからの主流にはなりえない(やはり、「スポーツ」のための自転車が主流。)と思ってます。基本的には、ロードの部品とMTBの部品をうまく使いながら、細々と、やっていくわけで(昔から、そうだったけど、)、そういう意味では、上で書いた中で、将来的に根本的に、ランドナーのネックになる可能性のあるのは、そんなないと思います。強いて言うなら、フレームの鉄製がなくなることと、部品が多様化及びその逆で専門化して、旅先の自転車屋じゃ手に入りにくくなってゆくだろう、ということぐらいでしょうか。

さて、以上を踏まえて、
   現時点でのランドナーは、こう作りましょう。各論。2001年2月22日
も見てやってください。

4.ランドナーの未来は、むしろ環境問題が問題

以下、ちょっと、理屈入ります。
日本は、狭いところに、1億人以上生活してます。たちの悪いことに、その1億人みんなが、それなりのレジャーを求めてます。ゴルフだの、スキーだの、ドライブだの、というのが、結果として、いろいろ環境を、破壊してると思うんですね。最近では、ハイキングでさえ、環境を破壊します。
別に、いっぱい人が生活してるのはいいんです。段々畑の横の農道走ってても、結構気持ちいいし、、、古い石畳の町並みを走るのもいいですよね。そこには、「生活の臭い」とか、「旅情」というものがあると思います。でも、現状の、観光開発されたものを見ても、「旅情」は感じない。ツーリングに行って、「ゴルフ場」とか、「スキー場」とか、「整備しすぎた道路」とかが多すぎるような気がします。あと数十年もすれば、走るところがなくなっちゃうと思ってしまいます。だって、今でさえ、「一日中走ってて、「いかにも観光開発された場所」というのを見ないことなんて、ほとんどない、といってもいいぐらいですよね。
本音で誤解を恐れずに言えば、日本みたいな狭い国に生まれた以上、車にのったり、ゴルフやったり、スキーしたり、するのは、贅沢だと思ってます。本来、日本は、江戸末期に、開国すべきじゃなかったんですね、とまで思ってしまいます。(ここは、自分が、ゴルフとかスキーとか車とか、やらないから、言える、、、という批判は、その通りですが。)
まあ、この時代に生まれてしまった以上、そんなことを言ってても仕方ないです。実際に、「そんな」文明の享受を甘んじて受けてる日常の私は、そう寒くもないのに、暖房をビシバシ入れて、電気使ってるわけで、こうやって、パソコンをつかってるわけで、、、、
でも少なくとも、人間のそういったレジャーの欲望を、効率よく、環境面に最小限の被害に食い止めて、なんとかできないものかと思います。ゴルフ場や、スキー場を、これ以上増やすのは間違ってるし、ツーリングでは重宝するような林道も、生活道路としての最小限の林道にとどめてほしい、と思います。決して、観光目的で、無理な場所に林道は作るべきじゃない。また、林道作るなら、ちゃんと、しっかりした工事して、崩落を防いで、ミミズさんも行き来できるような、林道にして欲しいと思います。
いづれにせよ、あと数十年すれば、日本で、「旅情」を感じながらサイクリングする、というのは、困難になっていく気がします。そうすると、ランドナーで走る場所もなくなってゆく、ということになります。自転車で走れるのは、ちゃんと管理されて、除草剤もいっぱい撒いた公園として管理された自転車道路で、「スポーツとして」走るようなところばかりになってゆくのではないでしょうか。そうなってしまうと、ランドナーというのはだんだんと、存在価値が薄くなってしまいまうということに、、、